平成29年9月21日 名古屋地裁 平成29(ワ)914号 簡易生命保険金請求事件 裁判所の判例検索です。
簡易生命保険契約に係る死亡保険金について,保険金請求権を取得した原告らが、それぞれ法定相続分に応じた金100万円及び商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案において、相続人の代表者の選定をしないことを理由に、原告らの権利行使(保険金請求)を制限することは許されないとして、それぞれの相続人に金100万円及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を認めた事例
民法(法定利率)
第四〇四条 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年五分とする。
(金銭債務の特則)
第四一九条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
商法(商事法定利率)
第五一四条 商行為によって生じた債務に関しては、法定利率は、年六分とする。
従前からの判例,多数説では,その行為が債権者と債務者とのいずれかのための商行為であるかを問わない。
商行為によって生じた債務の不履行による損害賠償義務,契約解除による原状回復義務などの利率も商事法定利率を認めてきました。
今回の判例は,”従来営利性を有しないとされていた相互保険について,商行為に関する規定の準用規定が設けられるに至ったことを指摘するが,簡保法
については,そのような準用規定は存在しないのであり,相互保険について商行為に関する規定が準用されるに至ったからといって,簡易生命保険についても商行為に関する規定が準用されるとはいえない。”としています。
については,そのような準用規定は存在しないのであり,相互保険について商行為に関する規定が準用されるに至ったからといって,簡易生命保険についても商行為に関する規定が準用されるとはいえない。”としています。