自己破産の申立書を作成した時の事です。

債務整理の依頼を受け、取引履歴の開示請求、過払い金の有無のチェック、過払い金があれば請求又は訴訟を起こします。ここまで終了して、まだ尚借金が残り、支払い不能の状態、返済が不可能の状態であれば自己破産へと進む事になります。

自己破産をするのには、破産手続開始申立書、財産目録、債権者名簿、陳述書他多くの書類を債務者の住所地を管轄する地方裁判所に提出しなければなりません。そして、破産手続開始決定され、最終的に免責許可決定がもらえれば終了するという流れになります。

提出書類の陳述書の中に、破産に至った具体的な事情を書くところがあります。私はいつも大筋を依頼者に書いていただき、その文章を読んで、依頼者に事情等を質問確認しながら作成します。借金、返済を繰り返しているうちに長い年月を経てしまうことが多いのでしょうが、大体の人が、当時の借金総額、返済額を覚えていないみたいです。
あるいは、これぐらいかぁみたいに言っていても全然少ない金額を言っています。

事務所には借金の取引履歴がありますので、その書類を集計すれば、いつ借金総額がいくらで、月々の返済総額がいくらか計算できます。
それはそれでいいのですが、集計結果を見ていますと、ある年月には急に借金が減り始めて、逆にある年月から急に増えていく事が多々あります。この集計結果を基に、依頼者と打ち合わせをすると、本人も忘れてしまっていますが、その時にはこんな事情があった。その時はこんな生活状態だったと言われます。

打ち合わせを繰り返す事に、自分の生活と借金総額、返済金額に対する認識が少し甘いなぁと思うことが多いです。

自分や家族の生活の為に借金をする場合もあれば、人の保証人等になったり、事業の関係て借金をする場合もあります。

私は依頼者にいつも話します。
自己破産手続、免責手続きが終了するのが私たちの目的ではなく、自己破産、免責手続きが無事終了して、あなたの生活が再建され、平穏な暮しを取り戻す事が私たちの最終目標です。

今回の自己破産の申し立ても最終目標にたどり着けるようにがんばります。